いよいよ今年10月に築地市場は豊洲へと移転が決まり、とうとう最終章へと入っていきます。私個人的にはすごく思い出深く、何だかセンチメンタルな気持ちにもなるんですが、先日豊洲市場の中を歩いてみると、新しい何かが始まるドキドキ感に何かを期待的な気持ちになりました。
我が社の社長は築地に勤めて30年になりますが、私はまだまだ築地初心者。まだ通って10年にしかなりません。今ではすっかり観光地化しておりますが、ほんの10年前は今ほど観光客もなく、いわゆる大混雑の“魚市場”
世界で一番と言われる「築地市場」
そんな築地には暗黙のルールがたくさん存在し、この独特の雰囲気をもつ築地が私は大好きです。
その中、一番独特なルールが「食」にまつわるルール。「食」と言ってもグルメではなく、築地市場で働く人の「食事」。今ではたくさんの観光客が寿司店に早朝より行列を作り、それが築地グルメの代名詞のようになっていますが、今日はそのお話は置いといて、、、。

見てください、このサンドイッチ。添えられているのは、、フォークでもなく、もちろんお箸でもなく「爪楊枝」これにはきちんと理由があります。築地市場で働く人たちは魚を扱いますよね。その魚臭がする手で食べると美味しくない。そこで、パンを触らず簡単に食べることが出来る爪楊枝が添えられてます。そして普通のサンドイッチより小さくカットされています。これは普通のトーストを頼んでも同じこと。昔の人が作ったルールが今でも生きています。
トーストひとつ頼むのだって色んなバリエーションがあります。焼く?焼かない?バターは?ジャムは?パンは切る?切らない?耳ははずす?、、、、「普通で」と言った場合、はたしてどの状態でくるのか?(笑)オリジナリティにあふれている築地の食。


そして私が最も尊敬するルールがもう一つ。築地市場内にある喫茶店。決まった時間帯に決まった旦那衆が決まったメニューを食べにくるための場所があります。絶対に座ることができない領域。誰が決めた訳でもなく、これこそ「暗黙のルール」
自分が何も知らずに座ってコーヒーを飲んでたら、、、と、思うとゾッとします。(苦笑)そしてこんなルールの中心的存在は、みんなマグロ屋さんです。いかに築地の中でマグロ屋さんの存在が大きいのわかりますね。
実はうちの社長がまだ新人の頃、マグロの競りを終えた後、喫茶店でうっかり座ってコーヒーを飲んでた時にマグロ屋仲卸の旦那が入ってきた。それを見て何を言う訳でもなく、ただドアをしめて店へ帰って行った。すぐに「ヤバイ!!」と慌てて走り仲卸へむかい「先程は失礼いました」と謝りに行ったことがあるとか。勿論、彼は「暗黙のルール」の存在をしっていた。ただ時間帯がずれていた事への油断がマズかった。かと言って旦那に何か怒られる訳ではないが、「謝りにいく」このたった一つの行動がその後のマグロ競り人 人生を大きく変えることは、わかりきっている。
毎日、決まった時間に、決まった場所で、決まったメニューを食べ、仕事に戻る。ほんの30分程度の物語。そんな何とも言えない雰囲気が私は大好きです。毎日カレーを食べる人だっているし、毎日ラーメンの人もいる。それを何十年も毎日続けてる。。。なんとも粋な雰囲気です。
こんな暗黙のルールを知り、守り続けているのも40歳以上の人達まで。だんだん世代交代が行われ、旦那衆がすくなりつつある築地市場、そして豊洲市場。また新しい暗黙のルールができ、時代が変わるんですね。
移転までの8ヶ月弱。そんないろんなルールと毎日の景色を存分に楽しみたいと思います。
最後に、毎日マグロのセリ後この席で(3枚目の写真)コーヒーを飲んでた古川さん。築地がなくなる前に古川さんがいなくなってしまいました。私はここを通るたびに古川さんを想うでしょう。心よりご冥福をお祈りいたします。。
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